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Coci la elle exhibition『かさとほん』

Coci la elle exhibition『かさとほん』
2017年8月30日(水) ~ 9月11日(月)
※初日8月30日(水)はひがしちかさんが在廊し、商品をお買い上げの方に、その場でペインティングしたうちわをプレゼントします。
今年2月に青幻舎よりリリースされた、コシラエル初めてのビジュアルブック「かさ」の刊行を記念しての展示会を開催します。作品集はもちろん、傘、日傘、ハンカチなどコシラエルのアイテムをずらりと展開します。
Coci la elle www.cocilaelle.com
日傘作家・ひがしちかが主宰するブランド。2010年に1点物の手作りの日傘屋としてスタート。オリジナルプリントの雨傘やスカーフをはじめ、小物なども制作。ブランド名の由来は、手仕事への敬意を込めたニュアンスをもつ日本語『拵える』。独特の色彩感の絵柄を尽きることなく生みだし続ける。ユーモアを織り交ぜた斬新な表現を傘に乗せて、手にする人、目にする人の日常を彩りたい。そのコミュニケーションが豊かであるように、手を尽くし心を尽くし、丹精してものづくりに取り組んでいます。 現在、東京・清澄白河にアトリエを併設した「コシラエル本店」を構えています。
MV画像 | 写真:澁谷征司(seiji shibuya) / モデル:髙橋真理(mari takahashi)

著者:Coci la elle
判型:A4
総頁:184頁+とじ込み20頁
製本:上製本
定価:4,800円+税
出版:青幻舎
【展示記録】
Coci la elle exhibition『かさとほん』

開いた瞬間、歓声があがる。持ち運べる絵画のような、美しい傘。
ひがしちかさんの作品集「かさ」の刊行に合わせて、全国の書店を巡った今回の展覧会。当店では、ひとつずつ直に彩色や刺繍を施した日傘や、雨傘とその原画、そして、作品集「かさ」の刷り出しや、ダミーブックを展示しました。
傘はもちろんのこと、展示の中でも皆さんがじっくりと見てくださったのが作品集「かさ」の最初の試作のダミーブック。ひがしさんの「こんな本にしたい」という希望が、貼り重なって分厚くなった本や手書きのメモに残されていました。
「日傘を通して私が表現していることは何だろう?生活、おしゃれ、想い、それが「道具」ということが私にとってすごく意味があると思う」

ひがしさんは、いつもやりたいことが溢れていて、エネルギーに満ちている人。ご本人は「これでもセーブしてる」と笑っていたけれど。
その最初は「自分の棚卸」から始まったそうです。自分に何ができるか、何をやりたいか、考えて考えて、その末に、これだと思った「日傘」。考えて出たことだから、きっと迷わないのだと思うし、傘のことを信じているから、ひがしさんの作る傘は見る人に、圧倒的だと感じさせるのだと思います。

雨傘の中に「blue jewely」というタイトルの傘がありました。
綺麗なブルーの傘。けれどこれは何だろう。花びら?ネイル?ムール貝?――実はその答えは、水茄子のおつけもの。
ひがしさんは「台所で、あまりの美しさにはっとして、傘にしなきゃ!って思ったんです」と話してくださいました。暮らしの中に「美」のかけらを見つけて集めて、生活の中で使うものに落とし込むこと。そして「美しいもの」が、私たちの日々と心に潤いを与えてくれるということ。これこそが、ひがしさんが傘という「道具」に込めている願いなのだと思います。
「わたしは 傘に感謝している
その存在に惹かれている
ひらき とじて またひらき くるくるまわし 見上げる」
――作品集「かさ」より

高橋由季 個展 『ニューテレポーテーション』

高橋由季 個展 『ニューテレポーテーション』
Yuki Takahashi solo exhibition “new teleportation”
2017年8月2日(水) – 8月28日(月)
※8月8日(火)、 8月15日(火)、8月22日(火)~25日(金)は休業
ON READINGの出版レーベルELVIS PRESSよりリリースする新作品集「ニューテレポーテーション」の刊行記念展を行います。
女の子をモチーフに様々なシーンを描いている高橋由季が、今回はテレポーテーション、テレキネシス、テレパシーなどの“超能力”をテーマにユニークな物語を作り上げました。
作家自身や見る人が新しい場所へ飛んでいけるようにという想いが込められた、コミック的手法を取り入れたイラストレーションです。
高橋由季 / YUKI TAKAHASHI
イラストレーター。
女の子のイラストレーションを中心に、書籍、雑誌、広告、CDジャケットなど様々な媒体で活動中。ザ・チョイス江口寿史さんの審査にて準入選。2016年韓国のブックショップYOUR MINDより「Coffee & Bread」を出版。デザインユニット「コニコ」としても活動。
http://takahashiyuki.com/
http://conico.co/
SPECIAL EVENT
ニューテレポートレート(似顔絵)
日程:2017年8月26日(土)、27日(日)
時間:26日|13:00~18:30 27日|13:30~18:00 お一人様 20分程度
料金:3000円+税(作品集「ニューテレポーテーション」付き)予約制
ご予約:下記フォームよりお申込みください。 ※定員に達しました。
※女性限定の募集となります。 男性・小学生未満不可。お一人様につき1枚とさせていただきます。
作品集「ニューテレポーテーション」に掲載の1シーンをモチーフに、あなたの似顔絵を描きます。

( 仕上がり例 )
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お申込み後、指定時間を連絡させていただきます。
※お申込み後、自動返信メールが届きます。届かない場合は必ずご連絡ください。(℡:052-789-0855)
※定員に達しました。
尚、お客様都合でのキャンセルの際は、必ずご連絡ください。
※下記、キャンセル規約に基づき、キャンセル料が発生しますのでご了承ください。
イベント当日より8日以上前のキャンセル…無料
イベント当日より7日~前日のキャンセル…入場料の50%
イベント当日/無断キャンセル…入場料の100%
横山雄 個展 『ジャズと社図 PLAY&PRAY』

横山雄 個展 『ジャズと社図 PLAY&PRAY』
2017年7月15日(土) – 7月31日(月)
アーティストトーク:7月15日(土)19;00~ 入場無料
フリーランスのイラストレーター/デザイナーとして活躍中の横山雄の個展を開催します。
【STATEMENT】
「ジャズと社図 PLAY & PRAY」と称された本展は、「均衡」をテーマに制作された約2年ぶりの横山雄の新作個展です。「ジャズ」には運動や音、文明、欧米、人間へ。「社図(じゃず)」には静止と沈黙、風土、アジアや中東、自然へ向けて思いを込め、互いの共存を目指して制作をしました。己の中を巡る血や感情、係わり合い暮らしを取り巻くものたち、手の届かない大きな渦。あらゆるものの中で摩擦や衝突が絶えずに起こり続け、これからもたくさんのことが身に降り掛かるかもしれません.。それでも緊張を保ちながら、混ざることのないものたちを携えて時間は進んでゆきます。絵もまたあらゆる均衡を含んだ運動の時間であり、祈りの時間の一部です。
また、2015年に発表したシリーズ『Pages』の展示も同時開催します。

横山雄 / Yu Yokoyama
2010年桑沢デザイン研究所卒業
都内デザイン事務所・美術書籍会社を経て、現在フリーランスのイラストレーター/グラフィックデザイナーとして活動中。イラスト・グラフィックデザインを中心に「GINZA SIX TERMINAL GINZA」パンフレットイラストレーション、「ダ・ヴィンチ」「TRANSIT」などの挿絵、加藤千恵著「こぼれ落ちて季節は」講談社文庫版の装画、「Live ato cox アン・サリー」のライブイベントポスターなどを手がける。
第33回 ザ・チョイス年度賞入賞
第83回 毎日広告デザイン賞 最高賞受賞
http://yokoyamaanata.com
【展示記録】
横山雄 個展 『ジャズと社図 PLAY&PRAY』&『Pages』

会場に置かれた椅子に座って眺めていると、かもめの群れはすこしゆれて、まるで羽ばたきのようでした。
この作品は、横山さんが会場の下見に来てくださった際、柔らかい光の入る大きな窓が気に入って、ここを眺める時間をつくりたい、と制作してくださったもの。ひとつずつをつぶさに見ていくとそれらはただの線なのに、なぜか鳥だと思えるし、横山さんの線だなと思えるのです。
「究極的には一本の線をひいただけで、それが自分の絵だと思えたら」という横山さんの作品は、身体ののびやかなストロークそのままに描かれた線たちが、踊りのようにも、祈りのようにも見えました。


「ジャズと社図」に添えられた挨拶文は、「私は絵を描きます」という言葉で締められています。
それは、宣言でもあるし、祈りの言葉でもあると思います。横山さんの絵や言葉からはいつも、切実さが伝わってきて、それは不特定多数の人に向けられたものではなく、ただひとりのために(自分のために、わたしのために、もしくはあなたのために)描かれたように思えるからかもしれないと思うのです。


書店内スペースでは、二年前に制作され、その後作品集「Cut Pages」にも納められている「Pages」の展示をしていただきました。
こちらは、「本の見開きの標本」の作品群。文字と図が配置され、ページ数やノドの影、印刷の汚れなどまでが描かれています。絵が何かの役割をもって機能するということ、文字と絵が等しく、その1ページをつくる要素としておかれていること。つまりイラストレーションというそのものをテーマにしたような作品で、デザインと絵の両方に携わる横山さんならではの発想なのではないでしょうか。
「ジャズと社図」「Pages」ふたつの展示を同時にご覧いただけたことで、作品や作家の軌跡や、表層的なイメージ以上の、根本にあるものなどがお伝えできたのではないかと思っています。

「私たちは全てのことを覚えておくことは出来ないし、全てのことは過去になっていくけれど、それらを思い出すことは出来る。何かを見たり人と会ったり、話し合ったり。一人では夢のように朧げになっても、共有することで再び出会うことが出来る。」(中略)「私たちがものを作ったり、場所へ赴いたり、誰かと話したりするのは、私たちは生きているということへの祈りなのではないだろうか。もし大きな一本の糸の中の一ひとつの繊維であれたら、絵を描くことで、瞬間を留めることで、伝えることで、私も少しでもそうなれたなら、絵を描いていて本当によかった。」
(横山雄「Landmark Magazine vol.1 日々のしるし」より)
今回の展示は、来てくださった方にとって、きっとそういう瞬間になれたのではないかと思います。横山さん、そしてご来場くださった皆様、ありがとうございました。
「ジャズと社図 play&pray」は このあと、東京・dessinにも巡回いたします。
新感覚学術読物『失われたドーナツの穴を求めて』刊行記念茶話会
「ドーナツのない穴で涼む夕べ」

新感覚学術読物『失われたドーナツの穴を求めて』刊行記念茶話会
「ドーナツのない穴で涼む夕べ」
日程:2017年7月26日(水)
時間:19:30-21:00
料金:1,500円(ドーナツ+クグロフ+ドリンク+ON READINGお買物券500円分付き)
*「満月ワインBAR」オーナー厳選のドリンク(ワイン含む)をお楽しみいただけます。
ホスト:芝垣亮介、奥田太郎
定員:10名(要予約)
予約:下記フォームよりお申込ください。 ※定員に達しましたので受付を終了いたしました。
妙な話ですが、よく考えてみれば、私たちは、産道という穴から生まれ、墓場という穴へと死にゆく存在です。また、食道という穴から食物を入れ、胃腸という穴でそれを消化・吸収し、肛門という穴から排泄をして生きています。私たちは、穴なくしては存在しえないと言っても過言ではないでしょう。そうした私たち自身の存在のあり方ゆえに、私たちは、ドーナツの穴に魅せられるのかもしれません。
ここに、穴に魅せられた11人の研究者と2人のドーナツ屋が、真正面からドーナツの穴の謎に挑む一冊が生まれました。その名も『失われたドーナツの穴を求めて』。
ドーナツの穴はいつからあるのか?ドーナツの穴に味はあるのか?ドーナツの穴はいくらで売れるのか?いや、そもそも、ドーナツの真ん中には穴があるのか、何もないのか?
今回の茶話会では、こうした問いをめぐって、極上のクグロフの「穴」(ドーナツのない穴!)とドーナツの穴を資料として眺め味わいながら、みなさんとゆったり対話を重ねて考えていきたいと思います。ドーナツのない穴で涼む夕べを、ご一緒できるのを楽しみにしています。
芝垣亮介
1980年兵庫県生まれ。言語学者。ドーナツの穴制作委員会ディレクターとして、『失われたドーナツの穴を求めて』の企画・編集を牽引する。期間限定「満月ワインBAR」のオーナーでもある。ロンドン大学で学び、現在、南山大学外国語学部准教授。博士(言語学)。著書に『Analysing Secondary Predication in East AsianLanguages』(Cambrdige Scholars Publishing)など。

奥田太郎
1973年東京都生まれ、奈良県育ち。哲学者。ドーナツの穴制作委員会プロデューサーとして、企画全体の行く末を見守っている。RHCPコピーバンド「一姫二太郎西尾です(略して西尾)」でボーカルを担当する。京都大学で学び、現在、南山大学人文学部教授。博士(文学)。著書に『倫理学という構え』(ナカニシヤ出版)など。

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※定員に達しましたので受付を終了いたしました。
尚、お客様都合でのキャンセルの際は、必ずご連絡ください。
※下記、キャンセル規約に基づき、キャンセル料が発生しますのでご了承ください。
イベント当日より8日以上前のキャンセル…無料
イベント当日より7日~前日のキャンセル…入場料の50%
イベント当日/無断キャンセル…入場料の100%

小幡 彩貴 個展 『DAWN』

小幡 彩貴 個展 『DAWN』
Saki Obata solo exhibition “DAWN”
2017年6月21日(水) – 7月10日(月)
※作家在廊予定日:7月1日(土)、2日(日)
絶妙な構図と世界観で国内外から絶大な人気を誇る小幡彩貴の個展を開催します。
sugar meのアルバムジャケットやNHKテキスト『高校生からはじめる「現代英語」』、最近ではイギリスの雑誌「MONOCLE」のイラストレーターに起用されるなど国内外で活躍中の彼女。
今回の「DAWN」と題した展示では、深夜から夜明けの時間帯に、ある人は一人で、ある人は誰かと、何かを静かに考えていたであろう瞬間を描き出します。観る者にとって「いつかの夜明けのこと」を思い起こす、そんな体験になるでしょう。
本展はMangasick(台湾)、ODD ONE OUT(香港)で開催してきた展示「DAWN」の巡回展となります。
(企画協力: commune / commune Press)
小幡 彩貴 Saki Obata
2009年桑沢デザイン研究所総合デザイン学科卒業。
有限会社ナノナノグラフィックスにてグラフィックデザイナーとして勤務の後、2014年よりフリーランスのイラストレーター・グラフィックデザイナーとして活動中。
「美術展の手帖」、「おばちゃんたちのいるところ – Where the Wild Ladies Are 」の装画・挿絵や、その他雑誌、書籍等でもイラスト、デザインを手掛けている。
個人作品では季節をテーマにイラストを描いている。
www.obatasaki.com
obatasaki.tumblr.com
instagram @obatasaki
【展示記録】
小幡 彩貴 個展 『DAWN』

小幡紗季さんの展示「DAWN」が終了しました。今回は、”夜明け前”がテーマ。
まだ外は暗く、多くの人が眠っている時間。この世界に自分しかいないんじゃないかと思うような静けさのなか、妙に清々しい気持ちになったり、逆に不安になったり。深夜のラジオや、灯りがともっている部屋を眺めて心強いような気持ちになったりということは、誰もが覚えがあるのではないでしょうか。
わたしが思い出したのは、先日、碧南市藤井達吉現代美術館で開催されていた「花森安治の仕事」展のこと。会場には、『暮しの手帖』編集部員を叱咤激励する花森さんの音声が流れていました。
早朝に家を出て魚市場で働く人を取材した記事に添える写真について、「外はまだ暗い。それを表現するのに何が必要かわかるか。それは人工の光だ。」と、花森さんは言います。街灯やテレビの灯りなど、人工の光が”闇”を引き立つ。小幡さんの絵は、その点においてまさに”夜明け前”という時間をみごとに描写していました。


ある写真家の方が今回の展示を観て、「小幡さんの作品のことこそ、”写真”と呼んだほうがいいんじゃないか」とおっしゃっていたのが印象的でした。実際、小幡さんは日々の生活の中で、ふと心を動かされた瞬間に出会うと「残さないではいられない…!」と、その状景を言葉でメモをして、あとから絵に描いているそうです。
自分の内側でゼロから世界を構築するのではなく、自分の眼前にある世界を「残したい」という向き合い方はとても写真的です。かといって、残したい瞬間を実際に写真に撮って、それをもとに絵に起こす、という方法では、「描きすぎてしまう」のだそう。たしかに小幡さんの作品は、とてもシンプルで少ない線ながら、そのほんの少しの角度やトーンで、風のゆらぎや光のさす方向を十分に示しています。私たちの目の前にはもっと多くのものであふれているはずだけど、きっと「見ている」ものはそんなに多くはないのかもしれません。
また、小幡さんの絵の中には、直接描かれていないけれど存在を感じさせるものが多くあります。絵の中の人物の視線の先に、テレビや桜の木を見ることができます。鳥の声や車の音が聴こえます。それは、あいまいな部分を残すことで想像の余地を与えているというのとはまた違っていて、”描かずに描く”という姿勢で、そういう部分にも、小幡さんが好きだという昭和初期に活躍した日本画家、小村雪岱が見え隠れするように感じました。
いつかは漫画を描きたい、という小幡さんの今後がとても楽しみです。

写真家・中川正子 『ダレオド』 トークイベント&販売会

写真家・中川正子 『ダレオド』 トークイベント & 販売会
2017年7月9日(日)
写真展を定期的に行い、雑誌、広告 、アーティスト写真、書籍など多ジャンルで活動中の写真家、中川正子による写真集『ダレオド』の刊行を記念して、トークイベントと販売会を開催します。
※当日、写真集をご購入の方には、L判プリントをプレゼントします。(会場限定)
写真集『ダレオド』販売会
時間 : 12:30~14:00、 16:00~
ご予約不要
写真集『ダレオド』 3,900 JPY | 216mm×302mm | 64P |発行Pilgrim
『ダレオド』トークイベント
時間: 14:00~
料金: 1,500円(お買物券500円分・ダレオドオリジナルポスター付き)
定員: 30名
ご予約 : 下記フォームよりお申し込みください。 ※定員に達しました。
ゲスト: 中川正子、小笠原哲也(BOOK MARÜTE|Pilgrim)
今年4月に最新作「ダレオド」を発表したばかりの写真家・中川正子さんと、この写真集の発行元(Pilgrim)代表であり、香川にて“BOOK MARUTE”を営む小笠原哲也さんをお招きしてトークイベントを開催します。この写真集への想いや、これからの写真集のつくり方、届け方などについて語っていただきます。

自身の出産と大震災という体験を経て、目に映る世界を切り取った写真集『新世界』、岡山で暮らすようになって出会ったひとびとの景色を紡いだ『IMMIGRANTS』。その先に生まれた本作『ダレオド』の中に写されているのは、日々の中にたしかに存在する、さまざまな光です。まばゆい光、おだやかな光、そして、濃い闇の中に、ひっそりと確かに存在する光。これは、広く混沌とした世界から、中川がみずからの意思で選びとった、小さくも美しい光、そして光に類するものを集めた写真集です。
「誰もみていないみたいに、踊って」
あるとき見つけたこの言葉から、中川はひとつのイメージを育ててきました。それは、のびやかに生き生きと踊り、歌い、愛し、生きる人の姿。中川にとって、いつしかこの無心に「踊る」姿は、ある象徴として存在するようになりました。世界で何が起ころうとも、大きな力が押し寄せようとも、それらがつけ入る隙もないほどに、目の前にある確かな光に意識を集めそれを手放さない。そんな生き方の、象徴として。写真集の中には、日々にこぼれる光とともに、踊る人の姿が写し出されています。
写真家の中川が踊るように生きるために選んだ手段は、シャッターを切ることでした。そうして集めた光のひとつひとつは、はかなく微弱かもしれません。しかしそれぞれが集めた光の束はいつか世界を明るく照らして行く、という強い祈りにも似た願い、そして誓いが「ダレオド」という4 文字の言葉に集約されています。
「これは、ひとことで言うならわたしの平和活動です。」と中川は言います。本作は、抗えないと思えるような強大な力への「抵抗」ではなく、中川なりの「宣言」です。今回、これらの繊細な光の表現、そして闇の表情をあますところなく再現することに成功し、深みのある美しい1 冊が完成しました。
写真にただよう空気や熱、込められた願いを感じながら、ぜひ1 ページずつじっくりとお楽しみいただければ幸いです。

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※定員に達しました。
尚、お客様都合でのキャンセルの際は、必ずご連絡ください。
※下記、キャンセル規約に基づき、キャンセル料が発生しますのでご了承ください。
イベント当日より8日以上前のキャンセル…無料
イベント当日より7日~前日のキャンセル…入場料の50%
イベント当日/無断キャンセル…入場料の100%


中川正子 Masako Nakagawa
1973年横浜生まれ。1995年、津田塾大学英文学科在学中にCalifornia state university,Haywardに留学。写真と出会う。自然な表情をとらえたポートレート、光る日々のスライス、美しいランドスケープを得意とする。写真展を定期的に行い、雑誌、広告 、アーティスト写真、書籍など多ジャンルで活動中。2011年3月に岡山に拠点を移す。現在、岡山を拠点に全国、海外を移動する日々。 著作に、自身の出産と震災後の世界を描いた写真集『新世界』(PLANCTON)、東日本大震災の後に岡山へ移住した人々の暮らしをモチーフにした物語『IMMIGRANTS』(Octavus)、2017年春、最新写真集『ダレオド』(Pilgrim)刊行。他に『旅の響き』(宮沢和史氏と共著、河出書房新社)『通学路』(PLANCTON) など。

小笠原哲也 Tetsuya Ogasawara
1972年香川県高松市生まれ。高校卒業後、渡米。アメリカで古着や古道具を仕入れ日本に送る仕事を友人達と起業。1995年高松で古着屋を開業。これを機に、日本と海外の古い物を輸出入する事をベースに、世界各地で仕事をするようになる。2001年、北浜アリーに拠点を移し「古道具MARÜTE」「BOOK MARÜTE」「MARÜTE GALLERY」を運営、2016年には近くに「ゲストハウスまどか」開業、台湾にも「緑光+marute」をオープン。2017年、出版レーベル「Pilgrim」を立ち上げる。
酔いながら考える / 滝口悠生、川島小鳥、 辻本力、九龍ジョー、後藤繁雄ほか

酔いながら考える / 滝口悠生、川島小鳥、 辻本力、九龍ジョー、後藤繁雄ほか
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「ワクワクしながら生きるコツ」をテーマにしたリトルプレス『歩きながら考える』の別冊としてリリースされた、『酔いながら考える』をテーマに「酔い」を巡る寄稿エッセイと、文学(古典)からの引用で構成した、ちょっと無頼なコラム誌。
寄稿者:滝口悠生氏(作家)、川島小鳥氏(写真撮り下ろし)、辻本力氏(ライター)、九龍ジョー氏(ライター)、山下陽光氏、立川こはる氏(落語家)、後藤繁雄氏(編集者)、月永理恵氏(「映画横丁」編集)、菅野康晴氏(「工芸青花」編集)ほか

のんべえ春秋 5号 どこでもビール号

のんべえ春秋 5号 どこでもビール号
ご購入はこちら→ http://artlabo.ocnk.net/product/5746
文筆家・木村衣有子さんが編集する、のんべえによるのんべえのためのリトルプレス「のんべえ春秋」。
今号は「ビール」がテーマ。
北海道帯広でビールづくりをしている醸造エンジニア・十河文英さんを取材し、料理と合うビールへのこだわりを尋ね、福岡大牟田最古のビアガーデン「博多屋」を訪れ、創業者の孫で陶芸家でもある福田るいさんの器とともに紹介。そのほか、これまでのツイートからレシピを拾いだした「my tweet recipe」や、雑誌「dancyu」で書いた「いい店ってなんだ?」の記事を再考するエッセイも収録。
長谷川珠実 写真展 『ラックミー』

長谷川珠実 写真展 『ラックミー』
2017年6月7日(水)~6月19日(月)
アーティスト・トーク
6月17日(土) 19時~
入場無料
「5月7日におじいちゃんの23回忌をやるから、来れる?」とお母さんからラインが来た。急過ぎるでしょって思ったけれど、本当に急に決まったらしい。おじいちゃんは私が幼稚園に入った年にがんで死んでしまった。お母さんから聞いた話だけど、おじいちゃんは変わった人で、酒乱で、物干し場から飛び降りて怪我をしたり、お祭りが好きで近所の子供たちにお店で売ってるアイスをばらまいてしまうような人だったらしい(母の実家はお米屋さんを営んでいた)。
幼稚園に上がる前の幼いころ、私が行方不明になったことがあった。私が住んでいる前橋に遊びにきたおじいちゃんが、そのまま黙って連れて帰ってしまったのだ。そのときの記憶はほとんどないけど、一つだけ思い出せることがある。お店とお家の間の玄関でおじいちゃんに「お母さんとお父さんがいなくなってもさみしくねぇんか?」って聞かれたんだけど、私は「さみしくないよ。だってうちの朝ごはんいつもね、しらすごはんばっかりだから」って言ったのだ。昔の記憶だから、大人に聞かされて植え付けられた思い出なのかもしれないけど、このことは本当の思い出だって確信してる。
大人になった今でもよけいな事をかなり言っちゃうから。
長谷川珠実 | Tamami Hasegawa
写真家
1991年群馬県生まれ、2014年専修大学文学部卒業。
JAPAN PHOTO AWARD 2014シャーロット・コットン賞受賞
志賀理江子 写真集 『Blind Date』

志賀理江子 写真集 『Blind Date』
ご購入はこちら→ http://artlabo.ocnk.net/product/5753
写真表現としての圧倒的な力を見せつけ多方面で話題となった『螺旋海岸』以来、4年ぶりの作品集となる写真家・志賀理江子による最新作品集『ブラインドデート』。
2009年にタイのバンコクで、バイクの二人乗りで疾走する恋人たちを撮影したシリーズ。
志賀はバイクが行き交う街中で、バイクの後部座席に座っている人たち 、何百何千人と眼差しを交わした。その不思議な見つめ合いの感覚に素手で触れぬまま近づくことのできる最適な道具が志賀にとってはカメラだった。
見知らぬ他者と視線を交わし続ける、目と目が触れることは、志賀の身体に潜む生物としての勘を取り戻すようだった。そして性的などこかに触れるようだった。
「目」はどこまで私たちを支配しているのだろうか。
“目が見えぬ、らしいのです。
それは私の知らない前世に関係するでしょうか。
本当のことを知りたくて、大学に行き、世界中の様々な宗教について学びました。
それらは生死について実に様々なことを述べています。でも、その全てに違和感を感じました。
私には当てはまらない気がするのです。”
ー テキスト「ブラインドデート」より




Transumanza / Stefano Carnelli

『Transumanza / Stefano Carnelli』
ご購入はこちら→ http://artlabo.ocnk.net/product/5731
イタリア人フォトグラファー、Stefano Carnelliによる写真集。
TRANSUMANZA(トランスマンツァ)とは、イタリア北西部のロンバルディア州で古くから行われている、羊を季節に応じて大移動させる伝統行事のこと。
60人の羊飼いたちは、春になると平地から山に、また秋には平地に1000頭以上の羊たちを移牧させながら飼育しています。現在は、ムスリム移民コミュニティからの羊の肉に対する需要の高まりによって羊の頭数は増すばかり。羊たちが通過するのは都市化された地域で、羊の群れと背景が生み出すミスマッチは、周縁地域の遊牧民共同体と都市地区の摩擦を示唆しています。










sunshine to you! 10years anniversary exhibition

sunshine to you! 10years anniversary exhibition
1+0 marine biology / astoronomy / petrology
2017年5月20日(土)~6月5日(月)
5月20日(土)は14:00から展示会がご覧いただけます。
葉山を拠点に、身近にある自然の中から感じたことをきっかけに、様々なプロダクトをデザインしている、sunshine to you!の展示会を開催します。
今年10周年を迎えるsunshine to you! 今まで考えてきたことは、すべて自然が起点。
葉山に移り住み、海と山が身近にある環境になって、よりそれが強くなっていった。
それは日々体感し、確信になった。
海と山、身近にある自然からたくさんのことがつながってゆく。
石も星座も生き物も、海流や気象も、そして自分も。
ITEMS:
ワンピース、石、モビール、香り、アクセサリー、クッション等
新作・新色も加えて展示販売します。
SPECIAL WORKSHOP
不均衡なモビールづくり
日時:5月20日(土)10:30-13:30
参加費:3000円(要予約)
持ち物:わくわくする心
定員:6名
予約:下記フォームよりお申し付けください。 ※満数となりましたので受付を終了いたしました。
平和公園の森を探検して採取した植物など吊るして、牧野富太郎の言葉の短冊と葉山の石でバランスをとってモビールをつくります。採取した植物は、参加者のみなさんと観察し、調べて記録に残します。時間とともに植物は変化し、その過程での重さ、空間、空気など、何かを感じとっていただけると思っています。

sunshine to you!
designer / 木原 佐知子
1980年埼玉生まれ 東京芸術大学デザイン科卒業
永山祐子建築設計等、いくつかの設計事務所を経て、2007年よりsunshine to you!として活動を開始。2014年から神奈川県の葉山へ拠点を移し、身近にある自然の中から感じたことをきっかけに、様々なプロダクトをデザインしている。クライアントワークではグラフィックから空間、衣装、ワークショップ、アートディレクション等、現在多岐に渡り幅広く活動をしている。
www.sunshine-to-you.com

【展示記録】
sunshine to you! 10years anniversary exhibition
1+0 marine biology / astoronomy / petrology
「人の一生で、自然に親しむということほど有益なことはありません。人間はもともと自然の一員なのですから、自然にとけこんでこそ、はじめて生きているよろこびを感ずることができるのだと思います。」
――牧野富太郎
2011年のsunshine to you ! & fancomi『sunshine PARK』から6年ぶりとなる、sunshine to you!の展示が終了しました。その間に木原さんは、埼玉から鎌倉・葉山に拠点を移し、海の近くで暮らし始めました。それまでも自然をモチーフにしたテキスタイルやプロダクトを作られていたのですが、海や太陽や風との距離が近くなって、よりダイレクトによりディープに、自然を感じられるものづくりをされています。

4枚の家型の布だけでできたワンピースの新作は、今までのsunshine to you!のイメージにはなかった、白と黒のモノトーン。着る人のからだに合わせて美しいドレープができ、とても軽くて動きやすいのにすっきりと見える端正なドレスに、改めて感動しました。
他にも月をモチーフにしたモビールや、大阪のWELTさんと共につくられた香り、会場の至るところにちりばめられた石や貝、海綿、植物など、その世界観に夢中になる方が続出。

そして、金継ぎを用いた石の作品「SEW STONE」。自然な風化によって割れた浜辺の石を、金継ぎで縫い合わせたこの作品。長い長い年月をかけこの形になった石と、私たちの時間とのひと触れが継ぎ目に刻まれています。
石の時間、月の時間、草や花の時間、人の時間。わたしたちが住むこの世界では、異なる時間軸が同時に存在し、共生しているというこの不思議。
sunshine to you!の作品すべてに通じている“wonder”の感覚は、私たちをとりまくすべてのものへの敬意の現れのように感じられました。

今回の展示に合わせて開催されたワークショップ「不均衡なモビールづくり」では、植物学者の牧野富太郎さんの「植物となかよしの友だちになるためには、まずその植物の名を知ることです。」という言葉にならい、採取した野の花や植物の名前を調べ、モビールを作成されました。最初は均衡を保っていたモビールも、植物が段々と枯れ水分が抜けていくために、日々そのバランスを調節しなければなりません。しかしそれこそが、よく見て、よく知るという、観察そのものをかたちにしていると思います。このモビールは、展示終了後も店内で見ていただけますのでご来店の際は是非見て行って下さい。

最後に、毎日石を見ていて思い出したエミリ・ディキンソンの詩を。
How happy is the little Stone
That rambles in the Road alone,
And doesn’t care about Careers
And Exigencies never fears ?
Whose Coat of elemental Brown
A passing Universe put on,
And independent as the Sun
Associates or glows alone,
Fulfilling absolute Decree
In casual simplicity ?
――Emily Dickinson

5月の営業日・休業日についてのお知らせ

【5月の営業日・休業日についてのお知らせ】
GWは張り切って通常営業します。
5月2日(火)は、定休日ですが臨時営業いたします。
5月7日(日)は、かくたみほさんのトークイベントのため、通常営業は17時までとなります。
5月13日(土)、14日(日)は、愛知県のラグーナビーチ(蒲郡)にて開催されるイベント『森、道、市場2017』に出店します。出店エリアは「CIRCLE STAGE」周辺の『LIVERARY』エリアです。
会場でお会いしましょう!
尚、5月10日(水)と5月15日(月)は臨時休業とさせていただきます。
かくたみほ 「MOI MOI そばにいる」刊行記念展

かくたみほ 「MOI MOI そばにいる」刊行記念展
2017年4月19日(水)~5月8日(月)
日本と似ているフィンランド。わかりやすい例だと靴を脱いで生活するでしょうか。大きなカメラをぶら下げて旅行者丸出しの私に、道を案内してくれたり治安の良い・・・作品撮りしやすい国でした。白夜と極夜の光と色の風景は美しく湖が鏡のようになる景色が好きです。自然信仰の文化もあり、森や湖からの恵みに感謝して暮らす人々の素朴な生き方にも共感を覚えました。首都に暮らす人々も身近に群島や森があり、私も真似て長靴を持参して森に入り、火を囲むのがとても楽くて10年通っています。すべて中判カメラで撮影してきたフィルムより手焼きプリントした作品を展示します。
※展示作品および写真集の販売もします。
SPECIAL EVENT : かくたみほ スライド&トークイベント
日時:2017年5月7日(日) 19:00~ ※当日、通常営業は17時までとなります。
料金:1000円+税(お買い物券500円分付き)
予約:下記フォームよりお申し込みください。 ※定員に達しましたので受付を終了いたしました。
定員:30名
かくたみほ Miho Kakuta
1977年、三重県鈴鹿市生まれ。
スタジオLOFTスタジオマンを経て写真家小林幹幸に師事後、独立。
雑誌やCDジャケット、ファッションブランドカタログなどの撮影と平行して、光とトーンを活かした作風で活動中。ライフワークではフィルムカメラを愛用して旅をベースに光、暮し、自然、対なるものに重きを置いて制作。フィンランドやブータンの風景や人々をテーマにしたNOTE BOOK写真集もシリーズで刊行を続ける。著書に『あふるる』(自社出版 2009年)『dog photographer』(翔泳社 2009年)『写真の撮り方 きほんBOOK』(マイコミ 2010年)『ふんわりかわいい写真の撮り方ノート』(インプレスジャパン 2010年)『キラリキラリ』(パイインターナショナル 2013年)などがある。2004年より各地で個展、グループ展多数。
http://mihokakuta.com/

かくたみほ写真集「MOIMOIそばにいる」
本書では、見る人の眼差しを和らげる不思議な魅力の写真によって、何気ない暮らしのなかや、動物と人間の関係など、フィンランドを身近に感じることができ、日本人が長きにわたって保っていた自然と人間との関係についても思いを巡らせるような、広く豊かな気持ちを育んでくれます。
出版:求龍堂
AD:佐々木暁
仕様:190×190mm 並製本 112頁(89点収録)
2,300円+tax
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※定員に達しましたので受付を終了いたしました。
尚、お客様都合でのキャンセルの際は、必ずご連絡ください。
※下記、キャンセル規約に基づき、キャンセル料が発生しますのでご了承ください。
イベント当日より8日以上前のキャンセル…無料
イベント当日より7日~前日のキャンセル…入場料の50%
イベント当日/無断キャンセル…入場料の100%
深瀬昌久 写真集 『鴉 / RAVENS』

『鴉 | RAVENS / 深瀬昌久 Masahisa Fukase』
ご購入はこちら→ http://artlabo.ocnk.net/product/5665
日本人写真家、深瀬昌久の作品集。
写真という媒体の歴史の中で最も重要な写真集の一つとしていつの時代にも高く評価されてきた写真家・深瀬昌久の『鴉』は、1986年に初版が刊行され、その後、2度復刻されているが、いずれも限定部数での発行だったこともあり、直ちに完売となっている。
今回の復刻版では、初版のレイアウトやデザインを踏襲しつつ、新たに深瀬昌久アーカイブスのトモ・コスガによるテキストを収録。近年、トモ・コスガによって発見された深瀬の未発表作品やドローイングを多数引用しながら、知られざる深瀬昌久の作品と人生の交差を読み解く。記憶に残る名作である本シリーズは、深瀬が妻との別離を起因とした悲しみに暮れながら故郷に向かった旅を出発点とし、1976年から1986年にかけて撮影された。北海道の海岸沿いの景色を背景に、深瀬はどこか寂寥の気配を漂わせる鴉の群れを幽玄な写真に収めている。
深瀬昌久の作品『鴉』は、オリジナル版写真集の発刊から三十余年が経った現在、写真史における決定的な作品群のひとつに数えられると同時に、写真集の分野においても最高峰と評されている。しかし賞賛の数々と時の経過によって覆い隠され、置き去りになっていることがある。それは、深瀬がなぜ鴉というモチーフに執着したのか、という根本的な疑問を説明づける興味深い事実の断片だ。この鴉というモチーフは、彼が生涯を通して耐え続けた実存的苦悩と寂寥を反映したものであるというだけでなく、芸術の名の下において鴉に自身を重ね合わせることで寂寥を増幅させ、果てには狂気に満ちた芸術的表現へと陥らせるものであった。1992年、深瀬は行きつけのバーの階段から転落する。この後遺症によって自らの意識を彷徨わせることとなり、医学的に見ても孤立した状態を以後二十年間にわたって続けた。深瀬は自らが手にしたカメラによって囚われた一羽の鴉となり、その最も代表的な写真集の表紙に宿ることで不滅の存在となったのだ。- トモ・コスガ(収録エッセイ「孤独の叫び」より抜粋)














