2017-06

横山雄 個展 『ジャズと社図 PLAY&PRAY』

横山雄 個展 『ジャズと社図 PLAY&PRAY』
2017年7月15日(土) – 7月31日(月)

アーティストトーク:7月15日(土)19;00~ 入場無料

フリーランスのイラストレーター/デザイナーとして活躍中の横山雄の個展を開催します。

【STATEMENT】
「ジャズと社図 PLAY & PRAY」と称された本展は、「均衡」をテーマに制作された約2年ぶりの横山雄の新作個展です。「ジャズ」には運動や音、文明、欧米、人間へ。「社図(じゃず)」には静止と沈黙、風土、アジアや中東、自然へ向けて思いを込め、互いの共存を目指して制作をしました。己の中を巡る血や感情、係わり合い暮らしを取り巻くものたち、手の届かない大きな渦。あらゆるものの中で摩擦や衝突が絶えずに起こり続け、これからもたくさんのことが身に降り掛かるかもしれません.。それでも緊張を保ちながら、混ざることのないものたちを携えて時間は進んでゆきます。絵もまたあらゆる均衡を含んだ運動の時間であり、祈りの時間の一部です。

また、2015年に発表したシリーズ『Pages』の展示も同時開催します。

横山雄 / Yu Yokoyama
2010年桑沢デザイン研究所卒業
都内デザイン事務所・美術書籍会社を経て、現在フリーランスのイラストレーター/グラフィックデザイナーとして活動中。イラスト・グラフィックデザインを中心に「GINZA SIX TERMINAL GINZA」パンフレットイラストレーション、「ダ・ヴィンチ」「TRANSIT」などの挿絵、加藤千恵著「こぼれ落ちて季節は」講談社文庫版の装画、「Live ato cox アン・サリー」のライブイベントポスターなどを手がける。
第33回 ザ・チョイス年度賞入賞
第83回 毎日広告デザイン賞 最高賞受賞
http://yokoyamaanata.com

【展示記録】
横山雄 個展 『ジャズと社図 PLAY&PRAY』&『Pages』



会場に置かれた椅子に座って眺めていると、かもめの群れはすこしゆれて、まるで羽ばたきのようでした。

この作品は、横山さんが会場の下見に来てくださった際、柔らかい光の入る大きな窓が気に入って、ここを眺める時間をつくりたい、と制作してくださったもの。ひとつずつをつぶさに見ていくとそれらはただの線なのに、なぜか鳥だと思えるし、横山さんの線だなと思えるのです。

「究極的には一本の線をひいただけで、それが自分の絵だと思えたら」という横山さんの作品は、身体ののびやかなストロークそのままに描かれた線たちが、踊りのようにも、祈りのようにも見えました。

 

 

 

「ジャズと社図」に添えられた挨拶文は、「私は絵を描きます」という言葉で締められています。
それは、宣言でもあるし、祈りの言葉でもあると思います。横山さんの絵や言葉からはいつも、切実さが伝わってきて、それは不特定多数の人に向けられたものではなく、ただひとりのために(自分のために、わたしのために、もしくはあなたのために)描かれたように思えるからかもしれないと思うのです。

書店内スペースでは、二年前に制作され、その後作品集「Cut Pages」にも納められている「Pages」の展示をしていただきました。
こちらは、「本の見開きの標本」の作品群。文字と図が配置され、ページ数やノドの影、印刷の汚れなどまでが描かれています。絵が何かの役割をもって機能するということ、文字と絵が等しく、その1ページをつくる要素としておかれていること。つまりイラストレーションというそのものをテーマにしたような作品で、デザインと絵の両方に携わる横山さんならではの発想なのではないでしょうか。

「ジャズと社図」「Pages」ふたつの展示を同時にご覧いただけたことで、作品や作家の軌跡や、表層的なイメージ以上の、根本にあるものなどがお伝えできたのではないかと思っています。

「私たちは全てのことを覚えておくことは出来ないし、全てのことは過去になっていくけれど、それらを思い出すことは出来る。何かを見たり人と会ったり、話し合ったり。一人では夢のように朧げになっても、共有することで再び出会うことが出来る。」(中略)「私たちがものを作ったり、場所へ赴いたり、誰かと話したりするのは、私たちは生きているということへの祈りなのではないだろうか。もし大きな一本の糸の中の一ひとつの繊維であれたら、絵を描くことで、瞬間を留めることで、伝えることで、私も少しでもそうなれたなら、絵を描いていて本当によかった。」

(横山雄「Landmark Magazine vol.1 日々のしるし」より)

今回の展示は、来てくださった方にとって、きっとそういう瞬間になれたのではないかと思います。横山さん、そしてご来場くださった皆様、ありがとうございました。
「ジャズと社図 play&pray」は このあと、東京・dessinにも巡回いたします。

2017-06-21 | Posted in Past-ExComments Closed 

 

写真家・中川正子 『ダレオド』 トークイベント&販売会

写真家・中川正子 『ダレオド』 トークイベント & 販売会
2017年7月9日(日)

写真展を定期的に行い、雑誌、広告 、アーティスト写真、書籍など多ジャンルで活動中の写真家、中川正子による写真集『ダレオド』の刊行を記念して、トークイベントと販売会を開催します。
※当日、写真集をご購入の方には、L判プリントをプレゼントします。(会場限定)

写真集『ダレオド』販売会
時間 : 12:30~14:00、 16:00~
ご予約不要
写真集『ダレオド』 3,900 JPY | 216mm×302mm | 64P |発行Pilgrim

『ダレオド』トークイベント
時間: 14:00~
料金:  1,500円(お買物券500円分・ダレオドオリジナルポスター付き)
定員: 30名
ご予約 : 下記フォームよりお申し込みください。 ※定員に達しました。
ゲスト: 中川正子、小笠原哲也(BOOK MARÜTE|Pilgrim)
今年4月に最新作「ダレオド」を発表したばかりの写真家・中川正子さんと、この写真集の発行元(Pilgrim)代表であり、香川にて“BOOK MARUTE”を営む小笠原哲也さんをお招きしてトークイベントを開催します。この写真集への想いや、これからの写真集のつくり方、届け方などについて語っていただきます。

自身の出産と大震災という体験を経て、目に映る世界を切り取った写真集『新世界』、岡山で暮らすようになって出会ったひとびとの景色を紡いだ『IMMIGRANTS』。その先に生まれた本作『ダレオド』の中に写されているのは、日々の中にたしかに存在する、さまざまな光です。まばゆい光、おだやかな光、そして、濃い闇の中に、ひっそりと確かに存在する光。これは、広く混沌とした世界から、中川がみずからの意思で選びとった、小さくも美しい光、そして光に類するものを集めた写真集です。

「誰もみていないみたいに、踊って」
あるとき見つけたこの言葉から、中川はひとつのイメージを育ててきました。それは、のびやかに生き生きと踊り、歌い、愛し、生きる人の姿。中川にとって、いつしかこの無心に「踊る」姿は、ある象徴として存在するようになりました。世界で何が起ころうとも、大きな力が押し寄せようとも、それらがつけ入る隙もないほどに、目の前にある確かな光に意識を集めそれを手放さない。そんな生き方の、象徴として。写真集の中には、日々にこぼれる光とともに、踊る人の姿が写し出されています。

写真家の中川が踊るように生きるために選んだ手段は、シャッターを切ることでした。そうして集めた光のひとつひとつは、はかなく微弱かもしれません。しかしそれぞれが集めた光の束はいつか世界を明るく照らして行く、という強い祈りにも似た願い、そして誓いが「ダレオド」という4 文字の言葉に集約されています。

「これは、ひとことで言うならわたしの平和活動です。」と中川は言います。本作は、抗えないと思えるような強大な力への「抵抗」ではなく、中川なりの「宣言」です。今回、これらの繊細な光の表現、そして闇の表情をあますところなく再現することに成功し、深みのある美しい1 冊が完成しました。

写真にただよう空気や熱、込められた願いを感じながら、ぜひ1 ページずつじっくりとお楽しみいただければ幸いです。

※定員に達しました。

尚、お客様都合でのキャンセルの際は、必ずご連絡ください。
※下記、キャンセル規約に基づき、キャンセル料が発生しますのでご了承ください。
イベント当日より8日以上前のキャンセル…無料
イベント当日より7日~前日のキャンセル…入場料の50%
イベント当日/無断キャンセル…入場料の100%

 


中川正子 Masako Nakagawa
1973年横浜生まれ。1995年、津田塾大学英文学科在学中にCalifornia state university,Haywardに留学。写真と出会う。自然な表情をとらえたポートレート、光る日々のスライス、美しいランドスケープを得意とする。写真展を定期的に行い、雑誌、広告 、アーティスト写真、書籍など多ジャンルで活動中。2011年3月に岡山に拠点を移す。現在、岡山を拠点に全国、海外を移動する日々。 著作に、自身の出産と震災後の世界を描いた写真集『新世界』(PLANCTON)、東日本大震災の後に岡山へ移住した人々の暮らしをモチーフにした物語『IMMIGRANTS』(Octavus)、2017年春、最新写真集『ダレオド』(Pilgrim)刊行。他に『旅の響き』(宮沢和史氏と共著、河出書房新社)『通学路』(PLANCTON) など。

小笠原哲也 Tetsuya Ogasawara
1972年香川県高松市生まれ。高校卒業後、渡米。アメリカで古着や古道具を仕入れ日本に送る仕事を友人達と起業。1995年高松で古着屋を開業。これを機に、日本と海外の古い物を輸出入する事をベースに、世界各地で仕事をするようになる。2001年、北浜アリーに拠点を移し「古道具MARÜTE」「BOOK MARÜTE」「MARÜTE GALLERY」を運営、2016年には近くに「ゲストハウスまどか」開業、台湾にも「緑光+marute」をオープン。2017年、出版レーベル「Pilgrim」を立ち上げる。

 

2017-06-19 | Posted in Event, NewsComments Closed 

 

酔いながら考える / 滝口悠生、川島小鳥、 辻本力、九龍ジョー、後藤繁雄ほか

酔いながら考える / 滝口悠生、川島小鳥、 辻本力、九龍ジョー、後藤繁雄ほか
ご購入はこちら→ http://artlabo.ocnk.net/product/5693

「ワクワクしながら生きるコツ」をテーマにしたリトルプレス『歩きながら考える』の別冊としてリリースされた、『酔いながら考える』をテーマに「酔い」を巡る寄稿エッセイと、文学(古典)からの引用で構成した、ちょっと無頼なコラム誌。

寄稿者:滝口悠生氏(作家)、川島小鳥氏(写真撮り下ろし)、辻本力氏(ライター)、九龍ジョー氏(ライター)、山下陽光氏、立川こはる氏(落語家)、後藤繁雄氏(編集者)、月永理恵氏(「映画横丁」編集)、菅野康晴氏(「工芸青花」編集)ほか

 

2017-06-05 | Posted in NewsComments Closed 

 

のんべえ春秋 5号 どこでもビール号

のんべえ春秋 5号 どこでもビール号
ご購入はこちら→ http://artlabo.ocnk.net/product/5746

文筆家・木村衣有子さんが編集する、のんべえによるのんべえのためのリトルプレス「のんべえ春秋」。

今号は「ビール」がテーマ。

北海道帯広でビールづくりをしている醸造エンジニア・十河文英さんを取材し、料理と合うビールへのこだわりを尋ね、福岡大牟田最古のビアガーデン「博多屋」を訪れ、創業者の孫で陶芸家でもある福田るいさんの器とともに紹介。そのほか、これまでのツイートからレシピを拾いだした「my tweet recipe」や、雑誌「dancyu」で書いた「いい店ってなんだ?」の記事を再考するエッセイも収録。

2017-06-05 | Posted in NewsComments Closed 

 

志賀理江子 写真集 『Blind Date』

志賀理江子 写真集 『Blind Date』
ご購入はこちら→ http://artlabo.ocnk.net/product/5753

写真表現としての圧倒的な力を見せつけ多方面で話題となった『螺旋海岸』以来、4年ぶりの作品集となる写真家・志賀理江子による最新作品集『ブラインドデート』。

2009年にタイのバンコクで、バイクの二人乗りで疾走する恋人たちを撮影したシリーズ。

志賀はバイクが行き交う街中で、バイクの後部座席に座っている人たち 、何百何千人と眼差しを交わした。その不思議な見つめ合いの感覚に素手で触れぬまま近づくことのできる最適な道具が志賀にとってはカメラだった。

見知らぬ他者と視線を交わし続ける、目と目が触れることは、志賀の身体に潜む生物としての勘を取り戻すようだった。そして性的などこかに触れるようだった。

「目」はどこまで私たちを支配しているのだろうか。

“目が見えぬ、らしいのです。
それは私の知らない前世に関係するでしょうか。
本当のことを知りたくて、大学に行き、世界中の様々な宗教について学びました。
それらは生死について実に様々なことを述べています。でも、その全てに違和感を感じました。
私には当てはまらない気がするのです。”

ー テキスト「ブラインドデート」より

2017-06-03 | Posted in NewsComments Closed