2022-01
【新入荷】マイハズバンド / 潮田登久子
マイハズバンド / 潮田登久子
ご購入はこちら→ https://artlabo.ocnk.net/product/8493
夫・島尾伸三と娘のまほ、洋館の一室で過ごした3人のにぎやかな日々と、静寂が訪れる夜の部屋でひとり向き合った孤独。約40年間眠っていた写真の物語がいま紐とかれる。6×6によるBook 1、35mmによるBook 2の2冊組。
1960年に桑沢デザイン研究所に入学した潮田登久子は、石元泰博、大辻清司に師事し、1963年に卒業しました。写真家の牛腸茂雄(桑沢デザイン研究所1968年卒)や児玉房子らとはこの頃に親交を深め、刺激を与え合いながら、1975年頃から写真家としての活動を開始します。のちに夫となる、写真家の島尾伸三とは、出会うまでの数年間、大辻という共通の師を持つコミュニティーのなかですれ違っていたのでした。1978年に潮田と島尾は娘をもうけ、結婚します。
娘のまほが産まれて間もない1979年の初め、3人は、憲政の神様といわれた尾崎行雄の旧居を移築した東京・豪徳寺の歴史的な洋館に引っ越しをします。そこは「箱のような」二階の一室。この借家では、風呂もなくトイレが共同で、当初は冷蔵庫すらなかったと言います。妻になると同時に母となった潮田の、慌ただしくも充実した日々が始まります。夫の島尾は、表現者としても家庭人としても異種な人物であり、加えて、潮田と同じ狭い生活空間の中で写真を撮っていたのでした。そのような相手との記録だからこそノスタルジックでも、風刺でもないバランスを保ち、モノの背景に潜む人間のドラマを見せ、潮田作品の特徴的な冷静さがいっそう磨かれた作品といるでしょう。最初の代表作「冷蔵庫/ICE BOX」は、この時期にうまれ、また日本初のコマーシャル写真ギャラリー「ツアイト・フォト・サロン」(1978–)や、故・平木収氏、金子隆一氏(ともに写真史家)などの存在が、潮田の捉えた世界の一角に写しだされています。本書ではまほが生まれた1978年からの約5年間で構成され、潮田の代名詞である6×6の正方形のフォーマットのBook 1、35mmのスナップショットのBook 2をセットにした、彼女の写真の原点として記憶される貴重な写真集となるでしょう。
この建物の住人が寝静まる頃には、枕元の中古の大きな冷蔵庫のモーターがガタンという不気味な音をさせるなり唸りはじめます。それを聞いているうちに、私の漠然とした不安が頭をもたげてきます。月や星がどこかへ行ってしまった、カーテンの無い大きな窓の向こうの黒い森を眺めているうちに、私はいつの間にか眠りにつくのです。
―潮田登久子
幼い子がいて、目の前の仕事をこなすのが精一杯な暮らしのなかでふと、
誰もいない時間が一瞬だけ潮田さんに訪れる。
静かで、少し寂しいけれど、とても豊かな時間。寂しいと思えることそのものさえ喜びであるような。
―長島有里枝(寄稿文より)
潮田登久子(うしおだ・とくこ)
1940年東京生まれ。1963年桑沢デザイン研究所写真学科卒業。1966年から1978年まで桑沢デザイン研究所および東京造形大学講師を務める。1975年頃からフリーランスの写真家としての活動を始める。代表作に様々な家庭の冷蔵庫を撮影した「冷蔵庫/ICE BOX」がある。2018年に土門拳賞、日本写真協会作家賞、東川賞国内作家賞受賞。
【新入荷】A POUND OF PICTURES / Alec Soth
A POUND OF PICTURES / Alec Soth
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国際的写真家集団「マグナム・フォト」正会員を務めるアメリカ人フォトグラファー、アレック・ソス(Alec Soth)の作品集。
本作は、2018年から2021年にかけて制作された新作を集めた、写真という表現手段を礼賛する意識の流れが見える一作。
仏像、バードウォッチングをする人、避寒客、リンカーン大統領の胸像と幅広い被写体を描写した本書には、様々な体験が殊にプリントされたイメージとして表現され、思い出される体験を捉えて結晶化したいという写真を撮る側の欲求が反映されている。雑多なイメージからなるシークエンスを通じて、何かを連想させるイメージ、土産物や記憶、我々に日々カメラを向けてくるイメージの作り手たちの存在が繰り返し強調されている。曲がりくねった道で思いを巡らせながら行くロードトリップのような作者の写真には、自身によるメモが添えられ、巻末には長いあとがきが綴られている。
「この本の中の写真には、きらきらと輝く表面以外に意味はありません」と作者は書く。「この作品群はイメージが作られるプロセスについての写真です。夢中になれる具体的な世界に入りこみ、光や時間などの一時的なものと目玉や映画などの身体的なものの間につながりを作り出すことをテーマにしています」
本書には、日常を写し出した無名の写真家たちによる写真の複製プリント5枚がランダムにページの間に挟まれている。
2021年1月13日からニューヨークの「Sean Kelly Gallery」、1月28日からミネアポリスの「Weinstein Hammons Gallery」、2月3日からサンフランシスコの「Fraenkel Gallery」で開催される個展に伴い刊行された1冊。
【新入荷】Stuttgart / 笠井爾示
Stuttgart / 笠井爾示
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2021年11月、世界最大級の写真フェア〈PARIS PHOTO〉で発表し、欧州の読者に好評をもって迎えられた本書は、笠井が思春期にあたる10歳から18歳までを過ごしたシュトゥットガルト(ドイツ南⻄部の国際都市)を、新型コロナウイルス感染症が世界を覆い尽くす前(2019年7月29日から8月9日までの12日間)に家族と訪れた際に、母・久子を撮影した135枚の写真で構成されています。
───
時系列どおりに135枚の写真を並べるとひとつの物語が成立していて。
これはもう入れ替えたり、いじったり、足したり引いたりできない。
こんな言い方が適切かわかりませんが、なにかに撮らされたような、不思議な感覚でした。
笠井爾示
【新入荷】NACH ALLES / AFTER ALL / Lawrence Weiner
NACH ALLES / AFTER ALL / Lawrence Weiner
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アメリカ人コンセプチュアル・アーティスト、ローレンス・ウェイナー(Lawrence Weiner)の作品集。
作者は、彫刻の概念を拡大したコンセプトアートのパイオニアである。言語を表現手段として使う作者にとって “文章=彫刻” だった。芸術作品やインスタレーションが実際に制作されたかどうかは問題ではなく、その作品を自分の頭の中で具現化するかどうかの決断などは、文章を読む読者に完全に委ねられていた。
本書は、2000年にドイツのベルリン・グッゲンハイム美術館の依頼によって制作されたドローイング、テキスト、インスタレーションの計画書などが収録されている。この展覧会でのインスタレーションは、展覧会会場の壁に英語とドイツ語で同じ文章を書くというものだった。小さな世界と大きな世界を等しく探求することに捧げられた本書は、これらの文章が蓄積された先に何が残るのかという問いも投げかけている。
林青那『KUROMONO』 出版記念展
林青那『KUROMONO』 出版記念展
2022年2月5日(土)~2月20日(日)
※2月17日(木)は、18時30分まで
墨汁と筆でプリミティブな図を描く画家・林青那が、初となる大判作品集『KUROMONO』をブックレーベル・Baciより刊行しました。出版を記念し、展覧会を開催いたします。衝動的な線の内に静けさが漂う作品は、観る人の心を原始の世界へと誘います。墨の強い黒と、そこから生まれるかたちを、是非お楽しみください。
林青那 Aona Hayashi
1989年生まれ。画家。幼少期より造形・絵画のアトリエに通う。2010年に桑沢デザイン研究所を卒業後、イラストレーターとして墨一色の静物画を中心に、広告や書籍などのイラストレーションを手掛ける。2016年より画家としても活動をはじめ、墨汁と筆による抽象画などを国内外で発表。
https://www.aonahayashi.com/
https://www.instagram.com/aonahayashi/
桑島智輝 写真集「我我」「我旅我行」POPUP SHOP in NAGOYA『ON READING』
桑島智輝 写真集「我我」「我旅我行」POPUP SHOP in NAGOYA『ON READING』
2022年2月2日(水)~2月21日(月)
※2月17日(木)は、18時30分まで
雑誌や広告、写真集などでの撮影で活躍を続けるフォトグラファー・桑島智輝が、その妻で俳優の安達祐実を日々撮り続けた写真集「我我」「我旅我行」(青幻舎)。今回のポップアップでは収録作品からセレクトしたミニエキシビションと、ポートレート撮影会を開催します。
日程:2022年2月11日(金)~2月13日(日)
時間:12:00~15:00
料金:一組 10,000円税込 (一組最大2名様まで)※要予約
会場:ON READING
予約:
桑島智輝がポートレートを撮影し、その場で写真をプリントしてお渡しします。(A4サイズ1枚のお渡しとなります。)
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「ON READING」
写真は詩になれ、詩は写真になれ
写真は糧となり、糧は川となる
私は、妻や妻に関わりのある風景を9年間撮影してきました。
それらは芸能写真でもなければ、甘ったるい夫婦の愛情写真でもない、習慣と痕跡とイメージを残す為の行為です。
今回の展示ではそれらの写真から、ON READINGの名前のもとに一度文脈を破壊してイメージを再構成しました、この写真が過ぎ去る人々の何かになれば幸いです。
2022年1月17日 桑島智輝
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桑島智輝(くわじまともき)
1978年岡山県岡山市生まれ。写真家。
2002年に武蔵野美術大学卒業後、鎌田拳太郎氏に師事。
2004年に独立後、雑誌やタレント写真集、広告で活躍している。
2013年に、約2年半の安達祐実を収めた写真集「私生活」(集英社)を発表。
2019年に写真集「我我」(青幻舎)、2020年に写真集「我旅我行」(青幻舎)を発表。
https://qwajima.com/
※定員に達しました。
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イベント当日より8日以上前のキャンセル…無料
イベント当日より7日~前日のキャンセル…入場料の50%
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