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畑中章宏の民俗学的読書術 第2回 ヴァルター・ベンヤミン『複製技術時代の芸術作品』


イベントは終了しました。アーカイブ配信を販売しております。

ご希望の場合は以下よりお申込みください。

畑中章宏の民俗学的読書術 第2回 ヴァルター・ベンヤミン『複製技術時代の芸術作品』
約2時間(Youtubeでの配信となります。)
視聴料:1,500円(税込) ※お支払いはクレジットカード支払いのみとなります。
視聴期限:2022年7月24日
※pdfのレジュメをメールでお送りしますので、携帯電話のアドレスはお控えください。
(迷惑メール設定にご注意ください。)

販売を終了しました。

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2か月にいちどぐらいのペースで読書会ふうのイベントを開催していきます。私は民俗学者ですが、このイベントでは、「この本が、どうして、民俗学と関係あるの?」という反応がかえってきそうな本を、毎回とりあげていくつもりです。どうしてそんな本を選ぶのかというと、みなさんが民俗学に抱く〝固定観念〟をときほぐしたいと思うからです。

民俗学とは一見つながりがなさそうな現代思想の著作、小説、童話、詩集、紀行文学、科学書などなどを、 私なりの問題意識から読み解いていくことで、民俗学が現在進行形のリアルな学問・方法であることを皆さんに知っていただきたいのです。

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〈アウラ〉という言葉を聞いたことがありますか。〈アウラ〉は俗っぽく言えば〈オーラ〉のことです。この〈アウラ〉〈オーラ〉を思想史上の重要な概念に引きあげたのは、ドイツの文芸批評家、哲学者ヴァルター・ベンヤミン(1892―1940)でした。

ベンヤミンは『複製技術時代の芸術作品』という著作のなかで、近代以前の宗教画などの芸術にあった〈アウラ〉が、写真や映画のように、複製技術で大量生産できるようになると凋落したと考えました。こうした芸術の大衆化は喜ぶべきことなのか、また〈アウラ〉が復活するとすれば、どのような契機によってか……。『複製技術時代の芸術作品』は、このような問題意識にもとづいて書かれたものなのです。

美学や美術史、映像論や映像史、メディア論や大衆社会論の領域で、さまざまな形でアプローチされてきたこの論考を、どのように〈民俗学的〉に読み解いていくことができるのか。

ベンヤミンは芸術を〈礼拝的価値〉と〈展示的価値〉に分けていますが、たとえば写真による「遺影」はどちらに属するのでしょう。また日本の民俗学では、「家族アルバム」の持つ〈芸術性〉について考察しているのですが、「家族アルバム」の価値は礼拝的でもあるのです。

ベンヤミンが期待した〈大衆〉は、日本民俗学における〈常民〉と重なるのか、違うものなのかと問いかけることもできそうです。短いながらも読み応えのある『複製技術時代の芸術作品』を、自由に読んでいきましょう。

 

(畑中章宏)

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畑中章宏(はたなか・あきひろ)
民俗学者。著書に『柳田国男と今和次郎』『日本残酷物語』を読む』(平凡社新書)、『災害と妖怪』『津波と観音』(亜紀書房)、『天災と日本人』『廃仏毀釈』(ちくま新書)、『先祖と日本人』(日本評論社)、『ごん狐はなぜ撃ち殺されたのか』『蚕』(晶文社)、『21世紀の民俗学』(KADOKAWA)、『死者の民主主義』(トランスビュー)、『関西弁で読む遠野物語』(エクスナレッジ)、『日本疫病図説』(笠間書院)、『五輪と万博』『医療民俗学序説』(春秋社)ほか。

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ベンヤミン・コレクション〈1〉近代の意味 (ちくま学芸文庫)
本体価格¥1500
筑摩書房 (ISBN:978-4480082169)

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【今後のスケジュール】
2022年9月18日(日)『新美南吉童話集』(岩波文庫)

 

※イベントは終了しました。アーカイブ配信の準備ができるまで今しばらくお待ちください。

 

【会場参加の方】
尚、お客様都合でのキャンセルの際は、必ずご連絡ください。
※下記、キャンセル規約に基づき、キャンセル料が発生しますのでご了承ください。
イベント当日より8日以上前のキャンセル…無料
イベント当日より7日~前日のキャンセル…入場料の50%
イベント当日/無断キャンセル…入場料の100%

【オンライン参加の方】
原則キャンセル不可となります。予めご了承ください。

オンライン配信は、ZOOMを利用しておこないます。
Zoomアプリをインストールしインターネットに接続したPC、スマホ、タブレットなどをご用意ください。
当日、開演前に、お申し込みの際にご入力いただいたメールアドレスへ、ミーティングルームへの招待URL、パスワードなどをお送りしますので、そちらからご参加ください。

なお、機材トラブル等で開始時間が遅れることがございます。また配信が不可能な状態になった場合は、終了後に録画を共有する形で対応させていただきます。あらかじめご了承のうえお申し込みください。

アーカイブ配信もございます。

2022-05-12 | Posted in EventComments Closed