Past-Ex
ナガノチサト個展 『生活の線-かさなり-』
ナガノチサト個展 『生活の線-かさなり-』
2018年3月3日(土)~3月18日(日)
at ON READING GALLERY
雑誌の挿絵や書籍の 装画、サカナクションへのイラスト提供など、現在様々な分野で活躍しているイラストレーター、 ナガノチサトによる個展を開催します。
毎朝同じ電車のあの人
向かい合うふたり 隣テーブル 沈黙が続く喫茶店
今日ここへ同じ時間に訪れたという偶然
別れがたいあのふたりはきっと離れて暮らしてる
ぽつぽつと光が灯る街 夜を知らせるサイン
離れた場所で起きていた事実 ただひたすらに祈ること
「ただいま」「おかえり」
気がつかないくらい自然に
生活は誰かと、見えない何かと かさなりあっている
離れたり 繋がったり 形を変えてもそれは確かに在る
私とあなたをつなぐ線
ナガノチサト
雑誌の挿絵を中心に、装画、WEB、パッケージや洋服のデザインなど幅広く活動中。主な仕事に、「CREA/文藝春秋」連載の挿絵、「ベリベリーグッド/松浦弥太郎」装画、WEBイラストとして「資生堂 花椿」「高島屋 未来研究所 F.I.N」などがある。
http://von3.com
【展示記録】
ナガノチサト個展 『生活の線-かさなり-』
人間観察が好きで、喫茶店やファミレスなどでも周りの人たちが気になってしまう、というナガノチサトさん。
極細のペンで精細に描かれた彼女の作品は、静謐さを漂わせながらも、描かれた人物の視線やしぐさが絶妙な空気を醸し出し、時に滑稽であったり、悲哀を感じさせたりと、奥行きのある表現が為されています。
いきいきとした余白から生まれる、彼らの存在感。
絵をずっと眺めていると、「存在する」ということ、そのものを描いているのではないかと思えてきました。日常でふとすれ違った、名前も知らない誰かの存在を、きっと大切に想って描いているのだなと。
在廊中も、少しでも時間が空けばスケッチブックを取りだし、ペンを握って描いていたのが印象的でした。「描く」ことが、こんなにも自然に、生活の営みとして行われているのを目の当たりにして、ますますナガノさんの作品が好きになりました。