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【新入荷】WHITE LAND / 高橋ヨーコ


WHITE LAND / 高橋ヨーコ
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限定1000部
エディションナンバー入り

 

世界の生活文化をフィールドワークするように撮影し、温かく、かつ静謐な独自の色彩感覚による写真が人気のフォトグラファー、高橋ヨーコによる写真集。

本作は、高橋ヨーコが、旧ソビエトから北ヨーロッパ、北海道にシベリアのマイナス40度にもなろうかという知らない街を何度も訪れ、孤独と向き合って撮りためた、24年間にわたる極寒の景色の記録。

なぜその地を選んだのか、はっきりとはおぼえていないのだけれど、壁が崩壊して間もない鉄のカーテンの向こう側を見てみたかったのと、その凍てつく寒さと白い世界に自分の身を投げ入れてそれを写してみたかったのだと思う。予想に違わぬ厳しい寒さと、まだまだ共産主義の色が濃く残る社会のシステムへの戸惑いから、これから毎日どうなるのだろうという不安でいっぱいであった。

-40度にもなろうかという知らない街でただカメラを提げて歩き回り写真を撮った。誰かにもらった期限切れのフィルムと中古のNikon。

写真を撮ること以外にはやることはなく疲れたら宿に帰り、言葉のわからないテレビをぼんやりと聞き流す。お湯の出ない部屋では温まることもできず寒さで震え薄い毛布にくるまった。撮ったフィルムだけは失くさぬように大切に抱えて移動を繰り返し、なんとか無事に旅を終えた。

あの時から20数年が過ぎ、もっと沢山のカメラを持てるようになり(運ぶのが大変になった)、期限の切れていないフィルムを存分に持っていける(撮り過ぎてしまう)ようにもなった。お湯の出ない部屋に当たることはあるけれど少しはマシな宿にも泊まれるようになった。けれども変わらずカメラを提げて世界のどこかへ白い世界を探しに出かけている。旧ソビエトから北ヨーロッパ、そして北海道。何度行ってもうまく雪の日に当たることができず1枚も撮影しなかった街もある。シベリアへは何度足を運んだだろう!

そしてどこに行っても未だにカメラを提げて歩き回るだけで、写真を撮ること以外にやることはないままだ。
(高橋ヨーコ)

2018-07-13 | Posted in NewsComments Closed