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赤木雄一 写真展『明けましておめでとう、 兎、 ギター、』


 

赤木雄一 写真展『明けましておめでとう、 兎、 ギター、』
2023年1月28日(土)~2月19日(日)
※作家在廊日 1月28日(土)

フリーランスの写真家として、広告・雑誌などの撮影を手がけながら作品発表も継続的に行っている、赤木雄一による写真集『明けましておめでとう』の刊行記念展を開催します。

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母はその春先にも勤めていた会社の定期検診を受け、
問題がなかったにも関わらず、
腫瘍が発見された8月にはステージ4の胃がんでした。

この本は2014年の9月から春の終わりまでの、
私自身の実家のある広島での、
家族の出来事を写真に収めたものです。

昨年展示と合わせて自費出版でこの本を出し、
販売をさせていただく過程で、
ある書店さんからおもむろに”7年ぐらいですよね”と言っていただきました。
見ていただくことで、改めて沢山の気付きがありました。

本展示は初回2022年5月に今住んでいる街で行った展示に、
この半年の気持ちの変化を加えたものです。

一度きりと思っていた展示を、
続けてゆく意味を込めて、
本のタイトル”明けましておめでとう”から”兎”始まり、しりとりに。
”ギター”は娘が続けてくれました。

写真に撮られることを、当たり前にちょっと嫌がっていた母に、
まだ遊ばしてもらっているようで。
んーにゃんにゃ(やれやれ)と言いながら、笑ってくれているだろうと思います。

(赤木雄一)

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赤木雄一  Yuichi Akagi
1982年広島県生まれ。
2006年大阪芸術大学卒業。
2011年より独立。コマーシャルワークを中心に活動。
https://yuichiakagi.com/

明けましておめでとう / 赤木雄一

『明けましておめでとう / 赤木雄一』
https://artlabo.ocnk.net/product/8786
15cm×11cm 120P
3,960円(税込) self publishing

2014年の秋口に癌を告知された写真家の母と、甥と姪の、以後約半年間の姿を中心とした、春の終わりまでの家族の物語。
時系列に添った構成で、ページをめくると物語のように時間が過ぎていく。避けがたい死と、それでも続いていく日々の暮らしとが綯交ぜになって「生」を肯定していく、ほのかな明るさを持ったこれらの断片は、きっと観る人の過去や未来の記憶と重なっていくだろう。
親密さを感じさせる素敵な装丁・造本設計は、吉田昌平(白い立体)による。

2023-01-05 | Posted in Past-ExComments Closed