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【新入荷】ここは安心安全な場所 / 植本一子


ここは安心安全な場所 / 植本一子
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自身の経験を真摯に文章にしてきた写真家、文筆家の植本一子による、あなたとわたしの現在地をみつめるエッセイシリーズ「わたしの現在地」。

二年前、西村佳哲さん主催のワークショップ「インタビューのワークショップ」に参加するため、遠野のクィーンズメドウ・カントリーハウスを訪れた著者は、そこで暮らす馬たちと、その馬のお世話をする「とくさん」に出会い、それ以来、数回にわたって通うようになります。

日頃の生活のなかでの名前や、社会的役割から離れ、ただの「わたし」として、人や馬と出会うこと。言葉を介さない馬との、気のやりとり。暗闇で、馬の気配を感じることーー。

傷を負い、葛藤を抱えながら生きてきた心を携えて、馬たちと過ごす静かな時間のなかで、自身の変わっていく内面を見つめた、8篇のエッセイと1篇の詩、そして写真。

さらにこのエッセイ集の主要人物である「とくさん」こと徳吉英一郎さんの寄稿文を収録しています。

肩書や役割を脱いでしまった自分はきっと、最初は少し心細い。けれどそうした「無名」の状態でただそこにいることは、ほかならぬ自分自身と出会いなおすことなのだろう。

「自分自身で生きる」ってなんだろう。何度も問い直す植本さんの姿をみて、私たちは一生をかけて、その練習をし続けているのかもしれない、と思った。

冒頭、久しぶりだというフィルムで撮影された写真が、まず素晴らしい。植本さんの世界に向き合う態度。人懐っこく、同時に少しおびえて、まっすぐに。それが本当に写真から伝わるのです。

私は今作、最高傑作だと思います。毎度、最高傑作を更新してくる植本さんなので、たぶん、次回もそう言うかもしれないけど。

2025-07-05 | Posted in NewsComments Closed