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ookamigocco 個展『Caravan』
ookamigocco 個展『Caravan』
2017年12月7日(木)-18日(月)
2回目となる、ookamigoccoの個展を開催します。
今回は、新作の立体作品や巻きぐるみの展示販売をします。
すべてのいきものはどこかしらでつながって
わっかになっているようにみえて
はじまりとおわりがある
たぶんいちばんまえにいるのは、にわとりかフクロウ
彼らはジャンプして、みんなをひっぱっていく
「にげろ」
「いや、すすめ」
こわがらなくていいんだ
めのまえのシッポを
ぎゅっとつかもう
ookamigocco オオカミゴッコ
マフラーのように巻ける動物のぬいぐるみ「巻ぐるみ」などフェイクファーを使った立体作品を制作している。
【展示記録】
ookamigocco 個展『Caravan』
脚立の上でフクロウに似た「スパロウル」が羽ばたき、転がった椅子の上でニワトリに似た「フラルースター」が雄たけびを上げる。
木の箱を飛び越える「ベアラビット」、いたるところにじゃれ合いながら浮遊する「ヒューマウス」…。
マフラーのように身に着けるぬいぐるみ、巻ぐるみが大人気のookamigoccoさんですが、今回の展示は、この不思議な生き物たちの立体作品が空間全体に配置されていました。
個展のタイトル「caravan」は、小沢健二の1992年のアルバム「犬は吠えるがキャラバンはすすむ」に端を発しており、(もともとはアラビア地方に伝わることわざで、「脇から批判・中傷する人々のことは気にせずに、自信を持って自分の道を歩め」「言いたい奴には言わせておけ」というような意味とのこと)ookamigoccoさんは「キャラバン」という言葉の意味を調べるなかで、ジャコウネズミの子どもが母親を先頭に連なって歩く「キャラバン行動」という生態を知ったそうです。
“すべての動物が彼らにつながって進むことができたら、どこにいけるだろう。
そのときはわたしも加わることができたらいいな、飛ばされてないように、キツネのしっぽをつかもう。わたしの後ろにはウサギが。列はどんどん長くなる。すると、あぶないことも増えます。犬はキケンを報せようとして吠えるでしょう。しかし、それでも進まなければいけない。安心しよう。わたしはひとりじゃない。前を見て、ただ進もう。“
(展示ステイトメントより)
ookamigoccoさんの作る動物たちは決して“本物らしく”作られているわけではないのだけど、不思議と生命力があって、とても「いのち」らしい。
かばんや布の彫刻作品ともいえるこれらの不思議な生き物たちのインスタレーションには、扉を開けた瞬間から「すごい!」と声を上げる方も多く、近くから遠くから、様々な角度で鑑賞するたびに新たな発見のある作品でした。
よく見ると、ヒューマウス以外の動物たちはある一方向を見て、今にも歩き出していくかのよう。
犬は吠え、キャラバンは出立の時を迎えた。
そこに連なってookamigoccoさんもまた、次のステージに進んでいき、私たちにまた新しい景色を見せてくれるのでしょう。