2026-06
読書会:The Practice of Reading『民藝とは何か/柳宗悦』w/朝倉圭一(やわい屋)

『民藝とは何か/柳宗悦』(講談社学術文庫)
第一回:2026年7月8日(水) 第一篇 “なぜ民藝に心を惹かれているのか”
第二回:2026年9月10日(木) 第二篇 “民藝から何を私が守り得たか”
※二回連続で参加できる方が対象となります。該当のページを読んでご参加ください。
時間:各回 19:30~
料金:3,000円(二回分)※初回当日、現金にてお支払いください。
ゲスト:朝倉圭一さん(やわい屋)
定員:6名
予約:
「ひとりで読むにはちょっと難しい」。でも、そんな本をゆっくりじっくり、みんなで読むことで、何かつかまえられることがあるんじゃないか。
そんな想いではじめた『読書会:The Practice of Reading』。
第二弾は、柳宗悦『民藝とは何か』(講談社学術文庫)を取り上げます。
ゲストには、飛騨高山で民芸店を営む、朝倉圭一さんをお招きします。相談役・指南役として、そっと補助線をひいてくれますので、安心してご参加ください。
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民衆的工藝の略称である『民藝』という言葉がこの世に生まれて百年が過ぎた。どうやら世の中は、何度目かの民藝ブームの渦中にあるようで、小さな工藝店で器を手渡しながら、本を読み、文書を書き、家族と共に暮らす僕のところまで民藝のことを知りたいと尋ねてくる人が少なくない。
言葉を重ね、出来るだけ平易に伝わるように話をしながら、僕はいつも、コップ一杯の“水”で、“川”そのものを伝えることは難しい。そう考えている。言葉にし、簡潔にするという行為には分別の傷が残る。それは川をコップ一杯の水にすることで、持ち帰られるもの、飲み干せるものにすることで起こる傷だ。水は形を変えた川であることを、僕らはいつも忘れてしまう。多くの誤解はそのことに端を発している。
今回、読書会で取り上げる『民藝とは何か』は、柳宗悦の説く民藝論の概要や意味についてまとめた代表的な名著だ。書かれた論旨は次のようにまとめることができる。
1. 民藝とは何か?
民衆が日常に使う無名の雑器。無心・無銘・実用から生まれる。貴族的工藝(名工・在銘・高価・作為)との対比で定義される。
2. なぜ民藝が美しいか?
「意識して作らない」ことが美を生む。技巧を凝らした上等品ほど生命力を失う。美しい「名品」を遡れば、その源泉はつねに民藝品の心にある。初代茶人(紹鴎・利休)が朝鮮の飯碗や薬壺を茶器に選んだのがその証拠。
3. なぜ今これを語るか?
資本主義・機械化により民藝は消滅しつつある。失われたことで初めて、距離をおいて美が見えるようになった。いまは「作る時代」から「認識する時代」へ。民藝の美の原理を問い直すことが、工藝の未来を開く。
読書会という体験を通して、皆さんはコップ一杯の水を手にすることと思います。柳の趣旨に沿うならば、その一杯の水の向こうにある雄大な自然の川の流れを感ずることが大切ということになります。優れた民藝品が、人の心を癒すのは、我々が忘れている自然に情感を想起させるからなのかもしれません。 読書会を通じて、民藝とは何か、民藝とは我々の生活にいかなる視座を与えうるのかについて、共に考える時間となりましたら幸いです。
(朝倉圭一)
朝倉圭一(あさくら・けいいち)
1984年岐阜県高山市生まれ。民藝の器と私設図書館「やわい屋」店主。愛知県立芸術大学非常勤講師、飛騨民芸協会理事。移築した築150年の古民家に家族で暮らしながら、器を売って本を読んで暮らしている。松本紹圭『日常からはじまるサステナビリティ』(淡交社、2024年)に対談者の一人として参加している。Podcast「ちぐはぐ学入門」を不定期で配信中。著書に『わからないままの民藝』(作品社)、『雑考』。
https://www.instagram.com/yawaiya_asakura/
※定員に達しました。
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イベント当日より8日以上前のキャンセル…無料
イベント当日より7日~前日のキャンセル…入場料の50%
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2026年7月9日(木) 碇雪恵&土門蘭『「話す」「書く」からはじめる“今を生きるためのプラクティス”』

碇雪恵&土門蘭『「話す」「書く」からはじめる“今を生きるためのプラクティス”』
日程:2026年7月9日(木)
時間: 19:00開場 / 19:30~スタート
料金:2,500円 (500円分のお買物券付)
登壇:碇雪恵、土門蘭
定員:30名
予約:
碇雪恵さん『そいつはほんとに敵なのか』(hayaoki books)と、土門蘭さん『ほんとうのことを書く練習』(ダイヤモンド社)は、どちらも2026年上半期を象徴するような重要な本だと思います。
土門さんは「書く」ことを、碇さんは「話す」ことを軸にされていますが、どちらの本にも通底しているのは、社会や他者とどのように対話していくか、という問いです。そして、そのためにはまず、自分自身と対話することが必要なのだと感じました。
「今」を生きていくための練習であり、実践の書でもあるこの2冊は、不安定な時代を進む私たちにとってのガイドブックのようにも思えます。
このたび、お二人をお招きしてトークイベントを開催します。ともに考え、語り合う時間になれば嬉しいです。
※6月下旬より、ON READING店頭にて、碇雪恵さんによる『そいつはほんとに敵なのか』選書フェアを開催します。こちらもあわせてお楽しみください。
協力:hayaoki books

1983年、北海道札幌市生まれ。出版取次会社や出版社での勤務を経て、現在はフリーランスで執筆や編集を行う。2022年、35歳の時に始めたブログをもとに自主制作した『35歳からの反抗期入門』は現在までに累計5000部を発行。ほかの著書に『本の練習生』がある。

文筆家。1985年広島県生まれ。京都府在住。小説、短歌、エッセイなどの文芸作品の創作と、インタビュー記事、ブックライティングなどのクライアントワークの双方を生業とする。これまでインタビューした相手は1500人超。著書に、第1回「生きる本大賞」を受賞したエッセイ集『死ぬまで生きる日記』他、歌画集『100年後あなたもわたしもいない日に』、インタビュー集『経営者の孤独。』、往復書簡『そもそも交換日記』、小説『戦争と五人の女』。最新刊は『ほんとうのことを書く練習 「わたしの言葉」で他者とつながる文章術』。
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【新入荷】photographs / 奥山由之

photographs / 奥山由之
ご購入はこちら→ https://artlabo.ocnk.net/product/11218
第34回写真新世紀優秀賞受賞し、数多くのクライアントワークも手掛けるなど、デビューして間もなく、一躍日本のトップ・フォトグラファーとして注目を集めている写真家、奥山由之による写真集。
本作、『photographs』は、『flowers』(2021年)『windows』(2023年)に続く三部作の完結編です。
亡き祖母との対話として花を見つめた『flowers』。
都市の窓を通して、見知らぬ他者の気配に触れた『windows』。
そして本作『photographs』で奥山が向き合うのは、自身の家族の記憶です。
奥山のアトリエは、かつて祖父母や父が暮らしていた家にあります。その改装中、押し入れの奥から見つかったのは、100冊を超える家族アルバムでした。ページをめくるなかで立ち現れたのは、懐かしさだけではありません。そこに写る父や母、祖父母、さらには会ったことのない先代の人々。その無数の選択の積み重ねの先に、いまの自分がいるという事実。家族という小さな共同体のなかで受け継がれてきた生命の連なりと、そのなかでなお「個」としてどう生きるのかという問いでした。
本作では、その家族写真に写っていた人物たちが、まばゆい光として解き放たれています。誰かの具体的な肖像だったはずの写真は、記憶と時間の輪郭をゆるやかにほどきながら、見る者それぞれの経験や感情を受けとめる、ひらかれた光景へと変わっていきます。
自分自身へと続く継承の歴史への敬意や感慨、そして個人としての選択と、知らず知らずのうちに引き受けている暗黙の規範。そのような「継承と自律」のあいだに横たわる緊張を引き受けながら、奥山は写真を通して、時を隔てた人々や、いまここにいる自身との対話を生み出していきます。
かつて家族アルバムに残された写真には、誰かに見せることを前提としない、無防備で親密な時間がありました。奥山は、その失われつつある写真のあり方に触れながら、きわめて個人的なアーカイブを、私たちに共有可能な普遍的なイメージへと変換していきます。
『photographs』は、ある家族の記録であると同時に、見る者自身の記憶を呼び起こすアルバムでもあります。
私たちはどこから来て、どこへ受け渡していくのか。個として生きながら、誰かの連なりのなかにあるとはどういうことか。個人的なものと普遍的なもの、過去と現在、自身と他者——その境界が静かに溶け合うなかで、ある家族のアルバムから生まれたこの写真集は、いつしか、私たち自身のアルバムになっていきます。
本書の造本もまた、この作品世界と深く呼応しています。家族の記憶を収めるアルバムのように、手にしたときにやわらかな膨らみを感じる佇まい。ファミリーツリーを思わせる深いグリーンの布装。その手触りまでも含めて、『photographs』という体験がかたちづくられています。























