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平野愛 写真展 『moving days』

平野愛 写真展 『moving days』
2018年8月30日(木)― 9月17日(月祝)

『東京R不動産』『OURS. Karigurashi magazine』など、様々な媒体で「住まい」をテーマにした写真を多数手がけるフォトグラファー、平野愛による写真集『moving days』の刊行記念展を行います。

本作のテーマは「引っ越し」。6組の引っ越しの瞬間に密着取材・撮影した作品です。様々な想いが残された空っぽの部屋、大切なものがたくさん詰められた段ボール、ワクワクした気持ちとともに新しい部屋でくつろぐ彼・彼女たち。ちょっとした切なさと、新しい日々に向かう晴れ晴れとした空気をまとった写真郡を眺めていると、様々な物語が浮かび上がってきます。

SPECIAL EVENT
\\WORKSHOP// 「暮らしの風景を残す」
日時:9月15日(土) 10 : 00 ~ 11 : 30
参加費:3,000円
定員:8名(要予約)
講師:平野愛
持ち物:デジカメor スマホ
予約:下記フォームよりお申し込みください。 定員に達しました

住まいや、日々の暮らしの風景の撮影のポイントをレクチャーします。少しのコツで日常の写真がより素敵な1枚に。その場で画像が見れる写真機でしたら、スマホでもOK。フォトグラファー志望の方はもちろん、初心者の方もぜひ。

\\TALK EVENT// 「団地と渋ビルと引っ越しと。」
日時:9月15日(土)19 : 00 ~(開場18:30~)
参加費:1,500円(お買物券500円分付)
定員:30名(要予約)
ゲスト:平野愛、名古屋渋ビル研究会(寺嶋梨里、謡口志保)
予約:下記フォームよりお申し込みください。

地味だけど味わい深い「渋ビル」への想いを存分に詰め込んだ小冊子「名古屋渋ビル手帖」を発行する、名古屋渋ビル研究会のお二人と、平野愛さんによるクロストークを開催します。お互いの渋ビルや団地に対する熱い想いを語り合いながら、住まいと暮らしについて改めて考えていきます。

※9月15日(土)はイベントのため、通常営業は17:00までとなります。

平野愛 Ai Hirano
1978年、京都市中京区出身。京都芸術センターオフィシャルフォトグラファーを経て、住まい・暮らし・人の撮影から執筆まで行う。自然光とフィルム写真にこだわったフォトカンパニー「写真と色々」代表。借り暮らしWEBマガジン「OURS.」の企画運営、Open MUJIでの展示ワークショップコーディネートも。 写真担当書籍には『東京R不動産』(アスペクト刊)『天使突抜367』(淡交社刊)『間宮吉彦の間』(140B刊)『全国のR不動産』(学芸出版社刊)『ち・お』(ジャパンマシニスト社)などがある。


平野愛写真集『moving days』 https://artlabo.ocnk.net/product/6140

 

【展示記録】
平野愛 写真展 『moving days』
2018年8月30日(木)― 9月17日(月祝)

 

平野愛 写真展 『moving days』が終了いたしました。

 

『東京R不動産』『OURS. Karigurashi magazine』など、様々な媒体で「住まい」を撮っている平野さんの写真集『moving days』のテーマは、「引っ越し」。6組の引っ越しの瞬間に密着取材・撮影した作品です。会場には、机と椅子が置かれ、写真集を座ってゆっくり見ていただけるようになっています。また、芳名帳には、お名前と引っ越し歴が。場所の名前が書かれているだけなのに、各々の人生が垣間見れるようで、いろいろと想像が広がります。

 

会期中には、ワークショップとトークイベントも開催させていただきました。ワークショップでは、平野さんが普段、部屋の写真を撮られているなかで気をつけている”5つの約束”も伝授してくださいました。”撮り方”について話しながらも、シャッターを押すまでの時間を共有し体験することは、写真家の世界を見る視線に触れることでもあり、結果として、平野さんの写真をより深く鑑賞することができたように思いました。

 

 

夜の部は、名古屋渋ビル研究会の寺嶋さん・謡口さんとのトークイベント。互いに、団地を愛し、古いビルを愛し、継いでいく暮しを愛するお三方なので、もちろん話は大いに盛り上がります。この夜の”お品書き”は、「カメダビル(ON READINGのあるビルです)を愛でる」「中日ビル(渋ビル手帖最新号の特集です)を愛でる」「”渋ビル手帖”と”moving days”のアウトテイク写真」「3人はどんな家に住んでいるのか」という充実の内容でした。ご来場の方も皆さん前のめりで見てくださって、笑顔にあふれたいい夜でした。

 

「『moving days』のアウトテイク写真」は、今回メインビジュアルに使わせていただいたお引越しの写真のアウトテイク。そこで出てきた写真は、思いのほか、カメラのこちら側にいる(と思われる)平野さんの存在と、被写体との関係を感じさせるものでした。

「めちゃくちゃいい写真なのに、なんでこれ外したんやろ~って今では思うんです」と平野さんはおっしゃっていましたが、その言葉が逆に、彼女の「編集の目」を感じさせます。

 

平野さんの写真には、独特の距離感があります。名古屋渋ビル研究会の謡口さんはこれを、”中距離”と表現されました。近すぎず、遠すぎず、”中距離で、そっと見る”という視点。

毎回、「勝手に胸がいっぱいになって」泣きながら撮影しているという平野さんですが、そうした撮影者としての感傷的な部分は写真集『moving days』ではとてもフラットになっていて、その分、見ているこちらの心が、自由に写真のなかに流れている時間に入り込んだり、自分自身のことを振り返ったりできるのだと思います。『moving days』の独特のトーンは、こうして整えられていたんだな、と思いました。

 

 

今回、ご来場の方とお話をすると、ご自身の引っ越しの体験や昔住んでいたお部屋について想いを馳せたり、「なんか引っ越ししたくなった」とおっしゃる方も。そもそも、お子さんの写真や、ペットの写真やごはんの写真などの被写体を中心としたものではない、自分の部屋そのものを撮影するということも、あまりないかもしれません。写真、というのは不思議なもので、撮った時には注目していなかったものも、あとから見返すと思いもよらない感情や記憶を呼び起こしてくれることがあります。自分とは全く関係のないはずの写真でも、です。

きっと、みなさん、展示や写真集をじっくり見ながらそれぞれの「moving days」に想いを馳せていらっしゃったんじゃないかな、と思います。

平野愛さん、名古屋渋ビル研究会の寺嶋さん、謡口さん、ご来場の皆さま、本当にありがとうございました。

 

2018-08-08 | Posted in PastComments Closed