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渡邉紘子 個展 『ハピネス』

渡邉紘子 個展 『ハピネス』
2017年9月30日(土)~10月15日(日)
※作家在廊日:9月30日(土)、10月1日(日)、14日(土)、15日(日)
※店休日:10月3日(火)、5日(木)~8日(日)、10日(火)

毎日は波のようです。
散らかった部屋やゴミでさえも愛おしく、
ありのままを受け入れられる日もあれば、
泣きたくなるような嫌な日もあります。

でも、嫌なことは
ネタにして楽しむことにしています。
どんな日も幸せでありたいです。

渡邉紘子  Hiroko Watanabe
「日常の小さな喜び」をテーマに布や糸を使用し、作品を制作。また、その作品を空間的に配置し、インスタレーションも行っている。
1981年生まれ
多摩美術大学 テキスタイルデザイン専攻卒業
University of Art and Design Helsinki(フィンランド)留学
会社員を経て、フリーでの創作活動を開始

WORKSHOP 『食べてハピネスお茶会』
日程:10月1日(日) & 10月15日(日)
時間:13:00~14:00 、15:00~16:00
定員:各回4名(要予約)
料金:2,500円(税別)
ミモザのハピネスお菓子プレート・お茶付き デコレーション:渡邉紘子
ご予約:下記フォームよりお申込みください。 ※定員に達しましたので受付を終了しました。

多治見市で伝統的な西洋菓子を作っている『ミモザ』とのコラボレーションによる、ハピネスになるお菓子を食べる会です。苦手なことや克服したいこと、解決したいことなど、短い言葉をご用意下さい。言葉をお菓子にデコレーション致します。
※アレルギーや苦手な食べ物がある方はお知らせ下さい。

【展示記録】
渡邉紘子 個展 『ハピネス』

渡邉紘子さんの展示「ハピネス」が終了しました。

友人から来た電話のような、幼いころの自分から届いたタイムカプセルのような。渡邉さんの作品には、鑑賞者にひらかれた親密さがあります。

今回の展覧会「ハピネス」は、東京・目白のブックギャラリーポポタムさんと、FUUROさんの二店舗で同時開催した展覧会を再構成しています。

 

ON READING GALLERYでは、淡いピンク色のカーテンが揺れています。”泥棒に家財道具を持っていかれた後の部屋”という状況を表現した作品なのですが、散らかった靴や布団、洋服や人形たち、ゴミやほこりは全てピンク色に輝いて、うっとりするほど美しいのです。こちらは”嘘のはなし”とのことですが、その絶望的な状況ながらいっそ清々しいような気持ち、生活に必要なもの全部なくなってしまったようで、ここには十分ある、と思えるような妙に満たされた気持ちになり、さらさらと揺れるカーテンを時を忘れて眺めている方も多く見受けられました。

 

ON READING書店内スペースでは、渡邉さんが実際に体験した”本当のはなし”を元につくられた作品が展示されています。思わず笑ってしまうような、身近な自虐ネタがこんなに素敵な作品に!と驚いてしまいます。ご来場者の中にで、似たような思いをしたことがあるという方が、渡邉さんがこうして作品にしてくれたことで、自分の中の嫌な思い出もいい印象に変えることができた、とおっしゃっていたのが印象的でした。

 

いつだって優れたアートには、私たちの見ているこの世界の見え方をほんのちょっと変える力があります。今回は「嘘」と「本当」に部屋が分けられていますが、その境はあいまいでどちらも等しく身に覚えがあって、同時に非現実的です。日常のなかで誰もが遭遇するネガティヴな出来事や感情、他者から受けるダメージをどうやって処理して生きていくのかという問題に対して、渡邉さんなりに「ハピネス」に転化する魔法を、ひとつの方法としてみせてくれました。

ON READINGが本格的なインスタレーション作品を展示したのは初めてのことでした。作家がそれぞれの方法で展示をしたり空間を使うことで、私たちがよく知っているはずのスペースがまったく違う場所のように感じられることがあります。今回、渡邉さんの手によってこのスペースの新しい表情が見られたことは、場所を持つものにとってはこの上ない喜びで、それをご来場の皆さんと分かち合えたのもとてもうれしい機会でした。

2017-08-19 | Posted in PastComments Closed