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一之瀬ちひろ 『きみのせかいをつつむひかり(あるいは国家)について』展

 

一之瀬ちひろ『きみのせかいをつつむひかり(あるいは国家)について』展
2020年9月5日(土)~ 9月22日(火祝)

 

一之瀬ちひろによる私家版写真集『きみのせかいをつつむひかり(あるいは国家)について』の刊行を記念して、小展示を開催します。

 

私家版写真集
『きみのせかいをつつむひかり(あるいは国家)について』 6,500yen+tax
https://artlabo.ocnk.net/product/6975

2019年12月、私家版『きみのせかいをつつむひかり(あるいは国家)について』を出版しました。このシリーズは、前作『日常と憲法』(2016)の主題を引き継ぎながら個人的な思考へと遠くまわり道をして考え続けた過程をまとめたものです。

私が本作で試みたことのひとつは、日常の中に光の粒子のように拡がるある種の知覚をすくいとろうとすることでした。ほとんどの場合私たちは、自分自身の周囲を包み込んでいる光を意識することはありませんが、写真はそれを意識化してくれるように思います。同じように写真を使って、ふだんは意識にのぼってこないとらえがたいものを知覚できるものとしてあらわすことができるのでは、と考えたのです。

もう一つの試みは、この作品を通じて私たちの生が大きな歴史へと収束されていくことへのささやかな抵抗を表明することでした。私たちの生はみな公的で国家的な歴史を構成する部分ではありますが、それぞれの毎日は壊れやすく混乱していてしばしば対立的でもあって、私たちの物語が公にされたときには失われてしまうような小さな細部や経験に満ちています。

そこで私は本作の制作をつうじて、一方では私的な日常生活をてらす光をとらえることを目指し、また同時に小さな個人的経験を保護することを目指しました。
(_一之瀬ちひろ)

一之瀬ちひろ プロフィール
写真家。1975年東京都武蔵野市生まれ。とりとめのない経験や感覚を作品の中におきなおすことを試みています。主な個展に「きみのせかいをつつむひかり(あるいは国家)について」(2019年、ニコンギャラリー銀座・大阪)、「光のトレイス」(2016年、京都国際写真祭KYOTOGRAPHE)など。グループ展に「みえるもののむこう」(2019年、神奈川県立近代美術館葉山)、「New Japanese Photographer」(2015年、IMA Gallery)など。2014年「KITSILANO」でJAPAN PHOTO AWARD 受賞。東京大学大学院総合文化研究科博士課程在籍。表象文化研究。主な研究対象はジョナス・メカス。

同時開催する、Coci la elleと、一之瀬ちひろの2つの展示のコラボレーション企画としてnoteでミニ連載をスタートしました。これから8回にわけてお二人のお手紙を更新していきます。

『夏の往復書簡 2020 : 一之瀬ちひろ ⇆ ひがしちか』
https://note.com/onreading/n/ndc3394c9f58f

 

2020-03-20 | Posted in Past-ExComments Closed